9月15日 子ども文教委員会

◎区長(山本亨) 
 これは本当に区議会の皆さんとも随分議論もし、そして都の状況の報告や、私どもの考え方を逐次ご報告もさせていただいて、今日の報告に至っているというところでございます。経緯、経過は、承知のとおりかなというふうにも思いますが、やはり一番大きなネックというのは、そもそもこの児童相談行政というのが、都の長年培ってきた基盤、土台の上にあって、やはり広域行政の一部であるというところが非常に大きいと、まず、そういう現状があります。
 そうはいっても、23区区長会の中でも、やはり自分の区の子どもたち、本当に虐待等、厳しい状況にある子どもたちを自分の区として救っていくんだと、育てていくんだと、こういう思いは、今、私自身も含めて共通の思いでありまして、その中で児童相談行政というものを、どのように独自性というか、今言った目的のためにどのような形で活用し、子どもたちを救っていくのかというところが原点にあるというふうに思います。
 その中で、今まさにご指摘いただいたように、財政面、人材の育成、それから一時保護所をどうしていくのか、そして都との連携とか、先行数区の動きもしっかり研究したほうがいいという今ご指摘もいただきましたけれども、当然その辺もご指摘をしっかり受けて、研究、分析はさせていただきながら、やはり区として、どんな状況にしていくのかというのを、令和6年の複合保健施設ができるという一つのタイミングもございますので、人材育成も含めて時間をかけてしっかり適時皆様にもご報告をして、ご意見をいただきながら進めていきたいというふうに思っていますが、究極は、自分の区の子どもたちをしっかり救い、そして虐待を受けたりしているお子さんたちをどういうふうに我々が守っていくのかという、ここの点を忘れずに取り組んでいきたいというふうに思います。

◆委員(井上ノエミ) 
 墨田区保育所等整備計画改定の考え方について、認定こども園に関連して伺います。
 墨田区では、私立の認可保育園に多くの子どもが在籍しています。したがって、保育園における子どもたちの教育が大変大事です。墨田区としても、私立の保育園の教育についても、しっかり支援していただきたいと思います。
 そこで、伺いますが、現在、墨田区として何かやっていることがあれば教えてください。また、私立認可保育園の認定こども園への移行については、必要な対応を行っていくとありますが、どのような対応を考えているのか、教えてください。

◎子ども施設課長(高橋淳一) 
 委員ご指摘のとおり、保育園における教育の質は大変重要だと考えてございます。保育の質ですとか教育的側面を捉えますと、昨今では、非認知能力の重要性といったものが確認をされておりまして、遊びを通じた子どもたちの主体的な学びから、このような能力を育もうとしていますが、こうした点から、協働的な学びに関する区主催の研修会についても、私立保育園など施設のジャンルを問わず、様々な方に幅広くご参加をいただいておりまして、質の充実につなげられているものと考えています。
 また、このほか、子ども施設課では、日々の運営に関しても、運営支援ということで様々、質の改善に関するご相談に応じています。
 次に、私立認可保育園の認定こども園への移行についての対応についてです。
 まず、認定こども園については、都の認定を受ける必要がございますが、この認定を受けるに当たってのハード面の整備のほか、各種事務的な手続、書類など、実際はかなりの労力が必要となります。こうした部分について、事業者さんから認定こども園への移行希望が区に出されました場合、丁寧に相談に応じまして、技術的な助言や支援を行っていくこととしてございます。

◆委員(井上ノエミ) 
 保育園の子どもたちの小学校教育への円滑な接続が大変重要です。この点について、小学校の先生からのフィードバックや意見にどのような声があり、どのような面において保育園での教育を充実する必要があるのか、伺います。教育委員会からもご意見があれば、お願いします。

◎子ども施設課長(高橋淳一) 
 委員ご指摘のとおり、保育園卒園後のスムーズな小学校生活への適応は非常に重要なことだと考えております。この点、児童の保育要録を利用活用いたしまして、児童の資質ですとか能力等については、小学校のほうに情報提供するほか、また、幼保小中一貫教育の枠組みの中でも、このスムーズな接続に関して、様々な考え方の共有を図っているところでございます。
 この中で、小学校の先生からの意見としては、間違った書き順で覚えないよう、字は教えないでほしいですとか、また、着席して取り組む活動の経験をさせてほしいなど、様々なフィードバックやアドバイスを頂いています。こうしたフィードバックや助言を頂きながら、保育園におきましては、まずは子どもの生きる力の基礎を養うことを大事にいたしまして、自らやりたいと心が動くように環境を工夫したり、また、達成感を味わわせるような経験を確保しながら、スムーズな小学校生活を送れるように、教育、保育の連携を行っているところです。
 具体的には、集団での約束事やルールを子どもたちと一緒に考えまして、自分たちでつくったルールを守れるようにするですとか、時には我慢したり、自分の気持ちを調整できるようにするですとか、何より、椅子に座って最後まで話を聞いてから行動するといったことを、日々の様々な取組を通じて行っております。引き続き、こうした教育や保育の連携を図っていく必要があるというふうに考えてございます。

◎指導室長(加藤康弘) 
 教育委員会からですけれども、小学校に入学してから、どの保育園や幼稚園からということではなくて、入学した児童一人ひとりに応じた指導を行いながら、小学校生活に慣れてもらって、学習習慣を身に付けられるよう努めています。

◆委員(井上ノエミ) 
 次に、教育委員会に伺います。
 墨田区の七つの区立幼稚園の定員は全部で490人ですが、現在、在籍しているのは242人しかいません。欠員は148人です。欠員が大変多いですから、こども園への移行を検討する必要があると思いますが、現在どのように考えているのか伺います。

◎学務課長(西村克己) 
 幼稚園を認定こども園に移行するために不可欠な事項でございます3歳児クラスを整備するための余裕教室が、現在、全7園中6園において確保することが困難な状況にございます。また、給食室につきましても、全園に増築していく必要がございますけれども、代替可能な部屋がないことなど、認定こども園への移行には、物理的な課題があると考えてございます。このほか、私立幼稚園の経営を圧迫する懸念もあると考えております。
 以上のことを総合的に判断しまして、現在は、認定こども園への移行は考えておりませんけれども、今後、幼稚園教育要領に示されている幼児期の終わりまでに育ててほしい姿を踏まえた教育を通しまして、探究心や協働性など非認知能力の育成を目指して、区立幼稚園の教育の一層の充実を図ってまいります。

◆委員(井上ノエミ) 
 幼稚園では欠員が多いですから、先生方も余裕があると思います。私立の保育園に行って、保育士の指導をしてもらってはどうでしょうか。いろいろ保育園を支援することができると思います。是非検討していただきたいと思います。

◎指導室長(加藤康弘) 
 区立幼稚園の教員についてですけれども、こちらは1クラスに1名の教員配置となっておりますので、余剰の人員はいない状況になります。